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近年、Podcastという音声メディアの人気が高まってきている。Podcastとは、インターネットを通じて音声配信を行う、インターネットラジオの1つの形態である。注目されている理由の1つとして、「ながら聴き」をすることができ、現代人の日常生活に入り込みやすい点が挙げられるだろう。また、WIREDの記事で「Podcastは現代の公共圏である」とも主張されているように、個々人の多様な考えや知識が本人の声で発信されることで、親近感や共感を得やすい点も特徴であろう。今回はそんなPodcastに関する研究動向について、学術論文を広く分析すると共に、論文情報以外からも日本におけるPodcastを巡る社会動向を調査した。なお、研究動向については、エルゼビア社が提供する抄録・引用文献データベースScopusを用いて関連論文を収集し、俯瞰解析による調査を行った。
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空飛ぶクルマで自宅から家族旅行に出かけると聞いたら多くの人は夢のような話だと思うかもしれないが、このような未来は着実に近づいている。
経済産業省とNEDOが国土交通省と連携して2022年から実施している「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト (ReAMo)」では、省エネ化や人手を介さないヒト・モノの自由な移動の実現を目指している。
一方でドローンの展示会イベントも近年多数実施されており、2023年6月に行われたJapan Drone 2023では、建築や農業、災害対応などさまざまな社会課題を解決しうる展示がされていた。本レポートでは、近年注目されているドローンに関する技術動向を調査した。
日本は周知のとおり資源輸入国で、とくに天然ガスに関しては輸入量が世界一位にもなっている。この天然ガスであるが、主成分はメタンである。よって化石資源に頼らないメタン生成ができればカーボンニュートラルに寄与できる。実際に経済産業省では2023年6月に「都市ガスのカーボンニュートラル化について」の中間整理を公開しており、そのためのガスとして合成メタン(e-methane)やバイオメタンを取り上げており、今後さらに注目が高まるものと考えられる。そこで、日本国内でのメタン生成に関する技術開発動向とプレイヤーを明らかにすることを目的とし、日本国公開特許公報を用いたメタン生成に関する俯瞰解析を行った。
2023年12月20日に上場が廃止された株式会社東芝 (6502) は、1930年代に日本で初めて電気洗濯機・電気冷蔵庫・電気掃除機を発明したほか、日本初のMRI装置開発、世界で初めてラップトップ型パソコンの開発・商品化に成功する(2)など、日本初・世界初の技術を生み出し続け、日本の産業界をリードしてきた存在だった。2015年に発覚した不正会計による営業赤字は7087億円に上り(3)、米原発事業の損失が重なり、白物家電、メディカル機器などいくつもの事業を売却した。こうした状況下で現在の東芝がどのような技術を保有しており、上場廃止後どういう事業に進んでいくのかを調査するべく、東芝および関連会社名義で出願された公開および登録特許公報を基に分析を行った。
近年、AIによる社会変革が急速に進みつつある。AIとは事象の抽象化とその演算処理であり、数学の積極的利用が今後の社会成長に必須と見做されつつある。かたや、技術成長の元とされる特許では無縁とも思われる抽象化思考だが、その例として非ユークリッド幾何学が挙げられる。空間が平坦であることを仮定したユークリッド幾何学は、一般相対性理論など日常からかけ離れた世界など一部の状況でしか有用でないと見做されている。しかしながら、数学の時代到来であるならば、この非ユークリッド幾何学でさえも特許として人の生活を豊かにする技術として活用がされていると期待したくなる。そこで本レポートでは、非ユークリッド幾何学を利用した世界特許を収集し、トピックモデルによる文書俯瞰解析手法を用いて技術動向分析を行った。
経済協力開発機構(OECD)が33ヵ国を対象に行った調査では、日本の1日の睡眠時間は7時間22分と最も短く、全体平均より1時間以上短いことが報告されている。睡眠時間が6時間未満の場合に生活習慣病などの疾患の発症リスクが有意に増加し、逆に9時間以上の場合は死亡リスクが高いと言われ、適切な時間の確保が必要である。また、睡眠で休養がとれた感覚を得ることも重要であるとされ、近年は質の高い睡眠ニーズが高まっているようである。睡眠訴求の機能性表示食品の届出数が急激に増加し、またITやAIなどの技術による睡眠サポート製品・サービスである”スリープテック”という言葉を見かけることも多くなった。では特許技術としてはどのようなものが増えているのか。睡眠に関わる技術について俯瞰する。
2023年10月19日、本田技研工業(7267)が2026年初頭から東京都内で自動運転タクシーサービスを開始すると発表した。当該サービスはクルーズ、GM、自動運転専用車両が指定場所まで迎えにくるところから、目的地に到達するまで全て自動運転で行われ、配車から決済まで全てスマートフォンのアプリで完結する。
これは一定の条件を必要とはするものの、都内では初の、運転者の介入を必要としない完全自動運転サービスとなる。
本稿では、自動運転技術の中でも特に重要になると考えられるAI関連の技術動向を捉えることで、自動運転の現状について考察する。
近年、科学技術をめぐる様々な問題が顕在化してきている。人工知能やバイオテクノロジーなど、科学技術が急速に進歩する時代において、社会や市民が取り残されず、うまく活用して生活していくにはどうしたら良いだろうか。また、特に日本で問題となっている、研究力の低下や研究環境の悪化に歯止めをかけることができるのであろうか。これらの問題に対する手段の一つとして、「サイエンスコミュニケーション」に注目し、関係する研究動向について、エルゼビアの抄録・引用文献データベースScopus(スコーパス)を用いて関連論文を収集して調査した。
近年、環境問題への意識の高まりから、様々な分野で脱炭素化の取り組みの1つの分類として、グリーンカーボンとブルーカーボンという考え方がある。前者は陸上の草木、後者は海の生物の光合成による炭素吸収を意味する。最近、日本ではENEOS(5020)や出光興産(5019)といった化石燃料の企業、大学やスタートアップの動きでは、関西大学と環境移送ベンチャーのイノカが、再生医療を活用したサンゴ礁の早期再生に関する共同ラボを立ち上げたように、大企業、スタートアップ、大学の動きが活発化している。ブルーカーボンに関わる生物は多岐に渡るが、本レポートでは、多面的な魅力を放つ一方で、多くが消滅の危機に瀕していたりと課題も多い「サンゴ」に関して、論文情報から研究動向を調査した。
2020年公開のレポートにて、Phase2として印刷業界をピックアップして近年注力している技術領域の探索を行った。そして今回はPhase3として製紙業界をピックアップ。前々回まとめた製紙業界の現状把握を振り返ると、主要3社である王子ホールディングス(3861)・日本製紙(3863)・大王製紙(3880)において、開発技術に大きな違いは見られなかった。しかし、レンゴー(3941)は段ボールに代表される板紙関連、北越コーポレーション(3865)は洋紙関連の技術に注力しており、技術開発の差異が見られた企業もあった。そのため、今回は製紙業界において近年注力している技術領域を探索することによって、各企業における差別化要素を探索し、今後の業界の方向性を確認することとした。
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アメリカはサプリメント大国と言われるように、2021年の米国栄養評議会による調査では80%もの人がサプリメントを使用していることが報告されている。一方で日本でのサプリメントのような健康食品の利用率は、男性30.2%、女性38.2%である。この利用率の違いの背景としては、医療費の自己負担額の違いが一つの大きな理由であることが考えられ、アメリカは一般の初診料が日本と比較して非常に高額であるため、病気は「予防する」という健康意識から、サプリメントが日常的に用いられているようである。アメリカと日本の健康食品の特許技術に違いはあるのだろうか。2000年以降に出願された特許公報を用いて日米の特許技術について俯瞰する。
カーボンニュートラルに向けた取り組みがワールドワイドで加速している。日本も例外ではなく、政府は様々な政策を打っている。温室効果ガスの削減には、排出量の評価や削減も重要な技術である。とくに製品やサービスなどのライフサイクルを通じた温室効果ガスの排出量のステージごとの把握、いわゆるカーボンフットプリントは、効果的に温室効果ガスを削減するために重要と考えられる。そこで、温室効果ガスおよび温室効果ガスの中でも温暖化への寄与が大きいCO2とその排出量に関わる日本国内での技術開発動向とプレイヤーについて日本国公開特許公報をリソースとして分析を試みた。
2023年初頭、ある話題がSNSを騒がせた。そう、昆虫食である。学校給食で提供されたという話題を発端に、昆虫食に関する批判的な意見が噴出した 。そこで本レポートでは、コオロギをはじめとする「昆虫食」をテーマに、国内外の特許情報に基づく技術動向調査を行い、昆虫食の過去・現在・将来の展望について技術的な視点で咀嚼していく。昆虫食の是非について主張するのではなく、技術調査を通して「いつから・どのように昆虫食の技術開発が進んできたか」という視点で技術動向を紐解き、「今後の展望と課題」について筆者個人の考えを整理していくものとご理解いただければ幸いである。
従来個人の問題と認識されてきた月経による体調不良や更年期症状など女性特有の不調を、社会の課題として捉える動きが出始めている。近年になって女性の健康をサポートする施策としてフェムテックが注目を集めている。フェムテックとは「female」と「technology」を組み合わせた造語で、女性のライフステージにおける諸課題を解決できる製品やサービスを指す。このようなフェムテック市場は国内外で大きく成長している。その市場規模は、日本においては約643億、世界では2025年に5兆円に達するとの予想も出ており、国内外で事業拡大が見られている。
そこで本レポートではフェムテック市場の最近の動向を調べるべく、日本市場と米国市場での技術動向を日米の公開および登録特許公報を基に分析を行った。
WIPO(World Intellectual Property Organization:世界知的所有件機関)に2022年に公開された全公報の分析を行った。一般に、技術の分析には、大きく分けて、基礎段階の研究については学術論文を用いた分析と、実用段階では、特許を用いた分析の2通りがある。この2つで見えてくる様相は異なることが多く、特に量子コンピュータなどの黎明期の技術については論文でこそ多くの動向が分かるが、特許ではまだその一部の活動が追える程度である。近年の政治的情勢により、米国公開の特許が世界情勢の反映されない情報源になってしまった現在、貴重な情報源であるWIPO2022年公開の特許を収集し、世界における実用化間近の技術動向を分析した。
音楽は世界中で親しまれている芸術であり娯楽である。一般大衆向けの音楽ではジャズやロックなど様々なジャンルが存在するが、20世紀以降、世界で最も多くの人が聴き、商業的にも最も成功したアーティストといえばThe Beatlesである。The Beatlesは1960年代にイギリスのリヴァプールで生まれた四人組のロックバンド。今回は彼らの活動期間に残した名曲群について、自然言語処理を使って紐解いていく。
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AI(人工知能)の進歩が目覚ましい。OpenAIが2022年11月30日に公開したチャットボットChatGPTは全世界に衝撃を与え、瞬く間に1億ユーザーを超えた。また、ChatGPTのリリースを皮切りに、OpenAIとパートナーシップを結んでいるMicrosoftによるBingへのチャット検索機能の搭載やGoogleによるAIチャットボットBardなど、汎用AIチャットボットサービスのリリースが相次いでいる。現時点でAIの実用化はどこまで進んでいるのだろうか。本稿では、ビジネスにおけるAI利用を技術面から捉えることでAI実用化の現状を把握しつつ、今後の開発の方向性について考察する。
合成ガス(シンガス)は一酸化炭素と水素を主体としたガスであり、カーボンニュートラルに寄与する一つの手段として期待される。カーボンニュートラルが注目されている今、100年近い歴史を持つ合成ガスに関わる技術開発がどのような状況にあるかは関心が持たれるところである。そこで、合成ガスに関わる技術開発の動向、とくに日本での開発状況について、特許情報をもとに分析を試みた。
ヘッドマウントディスプレイ、英語でHead Mounted Displayと呼ばれる機器は、その名称の通り、頭部に装着するタイプのディスプレイである。本レポートでは、仮想現実(VR)ビジネスの普及に伴って開発が進んでいるこの技術の動向を調査した。
近年、再び原子力エネルギーに注目が集まっている。かつて、二酸化炭素削減のための有望なエネルギー源として注目された時期があったが、2011年の東日本大震災という未曽有の天災と一部の人災による原子力事故を境に、その安全性コストの評価が変わり、再生可能エネルギーがその座についた。ところが、完全な人災であるウクライナ侵攻により、節目が再び変わった。化石エネルギーのコストが急増し、皮肉にも原子力エネルギーに再び注目が集まった。核戦争の可能性がゼロでない中での判断である。そこで、原子力に関する世界特許を収集し、技術的動向分析を行った。
2022年5月、Microsoftは.net MAUIをリリースした。これはいわゆるマルチプラットフォーム、クロスプラットフォームの開発環境と言われるものである。アプリケーション開発者としては、一つのアプリケーションを複数プラットフォーム用に個別に開発する必要がなくなり、効率的な開発が可能となる。ユーザ側視点で見ても、端末を変えたときに前の端末では使えていたアプリケーションが使えなくなるリスクが減る等メリットが有る技術と言える。そこで、今回はマルチプラットフォームに関する技術開発動向を分析した。
近年、遺伝子治療やmRNAワクチンといった、医療分野での新たな治療手段が増えてきている。この様な新たな治療手段が生まれる背景には、CRISPR-Casをはじめとしたゲノム編集技術といった生化学分野の研究・技術の著しい発展があるわけであるが、ゲノム編集技術の開発に微生物が貢献してきた事はあまり知られていないように思える。本レポートでは、微生物関連技術のうち、培養に関連した特許を大局的に俯瞰する事により、微生物培養に関連した技術動向を整理した(なお、本レポートにおいては、ウイルスは分析の対象外とした)。
近年、「IPランドスケープ」という言葉をよく耳にするようになった。IPランドスケープとは、2017年4月に特許庁が公表した『知財人材スキル標準』において戦略レベルのスキルとして定義された用語である。一方、報告書等では、特許を中心とした知的財産(技術)の全体像や概要を把握するのみに留まるケースが多くみられる。本稿では、IPランドスケープ本来の定義が示すように知財情報分析を経営戦略に活かしていくためには何が重要なのかを明らかにするため、知財情報分析に関する研究情報(学術文献)を解析する。
新型コロナウイルスによる感染症、COVID-19 による2 年近くに渡るパンデミックの状況下で人々の生活様式が大きく変化している。日本生産性本部が発行している「レジャー白書 2021」によると、2020 年の余暇市場は55 兆2,040 億円で、前年比23.7%の減少となっており、スポーツ部門、趣味・創作部門、娯楽部門、観光・行楽部門の4 部門すべてにおいて減少となっている。その中にあってもコンテンツ配信は巣ごもり消費で大きな伸びを見せるなど、エンターテイメントはCOVID-19 パンデミックの影響により最も大きく変化しているものの一つといえる。本稿では、COVID-19 パンデミックの影響を大きく受けている国内エンタメ業界の技術動向を探る。