先端材料の最新動向を産業分野別・材料別に分析
世界の注目企業の動きから、次の一手を導く

　地球温暖化やカーボンニュートラルへの対応など、サステナブル時代に向けてマテリアル分野の革新が求められています。本レポートは、独自のアルゴリズム・人工知能技術を駆使したビッグデータ・予測分析ツールやコンサルティングサービスを提供しているVALUENEXを著者に迎え、ベンチャーを中心に先端材料を開発する企業に焦点を当てて、先端材料の動向を可視化し、産業分野や材料ごとに徹底分析しました。さらに、各材料分野で注目すべきベンチャーや独自企業をピックアップし、会社概要や事業内容、技術優位性、競合企業分析などを掲載しています。製造方法や用途展開で独自性を極める企業やESG投資の対象となるベンチャーなどマテリアル分野で欠かせない最新動向を紹介しています。
　具体的には、産業別として、航空宇宙や自動車、建築、医療、アパレル (衣料)、食品、エネルギーといった分野の市場動向や技術開発動向、材料動向を解説しました。さらに、本レポート「マテリアル革新【複合材/繊維/カーボン/セラミック/シリカエアロゲル編】」では、複合材や繊維、カーボン、セラミックス、シリカエアロゲルといった材料分野に注目し、各材料の最新動向をはじめ、注目企業の詳細を取り上げています。

　本レポートで取り上げる注目企業は44社。このうち、複合材分野が19社、繊維分野が11社、カーボン分野が6社、セラミックス分野が6社、シリカエアロゲル分野が2社です。素材関連企業やセットメーカーをはじめ、マテリアル分野でのM&AやESG投資を考えている企業に、将来動向をはじめ、注目企業の動向や得意な技術、競合先を理解するのに最適なレポートとなっていますので、ぜひご活用ください。

読みどころ

特徴

複合材

　複合材分野は、航空宇宙や自動車分野での軽量化のニーズや医療分野の市場拡大を背景にグラフェン複合材や高強度合金、次世代複合材、高機能複合材などの開発が活発化しています。また、カーボンニュートラル時代に向けてバイオマス由来の材料開発が注目されています。本レポートでは、有機系や無機系をはじめ、バイオマス由来や新規アプリケーション、新規開発手法に取り組む複合材分野の注目企業を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの4章では複合材料における注目ベンチャー (企業) として有機系 (4-1)、無機系 (4-2)、バイオマス由来素材 (4-3)、新規アプリケーション (4-4)、新規開発手法 (4-5)で分類した19社を取り上げる。
　このうち、有機系はPRF Composite Materials、MitoMaterial、Cashem Advanced Materials Hi-tech、Boston Materials、N1 Composites、c-m-p、Alpine Advanced Materials の7社。Z軸ミルドファイバーで強化したCFRP や硬質ポリメタクリイミド(PMI)発泡体、炭素繊維プリプレグ、複合部品の靭性を向上させる添加剤、CFRP やCFTRP向け離型剤、米Lockheed Martin から独占ライセンスを受けて製造する熱可塑性複合材料などに取り組む企業を取り上げている。
　無機系はNuenz、Axiom materials、IBC Advanced Alloys の3社。窒化ケイ素を用いたセラミック繊維やセラミックマトリックス複合材料、ベリリウム金属合金に取り組む企業を取り上げた。バイオマス由来素材は天然繊維複合材を製造しているLingroveを掲載している。
　新規アプリケーションはLios、FiberCore Europe、Plasmabound、Alusid、CoreCompositesの5社。騒音を減衰させる音響メタマテリアルや、層間剥離と亀裂を防ぐ特許技術を持つ繊維強化樹脂 (FRP) 製の建設構造材、FRPの接着接合や表面改質の技術、リサイクルガラスとセラミックを融合させた複合材、軍事用シェルター技術の民間利用などに取り組む企業を取り上げている。
　新規開発手法はSilencions、Aerospace & Advanced Composites、Helicoid Industriesの3社。サブ波長の周期的構造物を介して材料構造の騒音と振動を低減するソリューションや、極環境下での分析試験サービス、生体模倣したヘリコイド構造材料などに取り組む企業を取り上げている。

繊維

　繊維分野は、ファイバー複合材やスマートテキスタイル、バイオマテリアルの開発が活発化しています。特に、環境負荷の低減を目指したバイオマス由来素材や革製品を代替する人工皮革などの開発に注目が集まっています。本レポートでは、バイオマス由来素材や生分解性繊維をはじめ、製造技術や新規アプリケーションに取り組む繊維分野の注目企業を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの5章では、繊維における注目ベンチャー (企業) としてバイオマス由来素材 (5-1)、生分解性繊維 (5-2)、製造技術 (5-3)、新規アプリケーション (5-4) で分類した11社を取り上げる。
　このうち、バイオマス由来素材はCelloz、Bamboo Ecologic、DTE materialsの3社。セルロース繊維から生まれた屋根材や、竹繊維を用いた建築構造材、天然繊維を用いたコンクリート材料などに取り組む企業を取り上げている。
　生分解性繊維はリンゴの廃棄物をベースに持続可能な代替皮革を開発したBeyond Leather Materialを掲載している。製造技術はナノファイバーのスケーラブルな生産を可能にしたGelatexを取り上げている。
　新規アプリケーションはMesomat、Kestrel materials、Loomia、Sensing Tex、HeiQ、Fibrecoatの6社。伸縮性導電性繊維や、温度反応型の可変テキスタイル、布地などの素材に電気回路を実装する技術、伸縮性のある素材上へのセンシングマット構築技術、繊維に抗菌や動的冷却などの機能を付与する技術、特殊な金属もしくはポリマーでコーティングした機能性ガラス繊維などに取り組む企業を取り上げている。

カーボン

　カーボン分野は、グラフェン・グラファイトとその生産技術の開発が活発化しています。また、グラフェンやカーボンナノチューブの製造技術の高まりによって、新規アプリケーションへの用途展開が加速しています。本レポートでは、製造技術や新規アプリケーション、環境対応に取り組むカーボン分野の注目企業を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの6章では、カーボンにおける注目ベンチャー (企業) として製造技術 (6-1)、新規アプリケーション (6-2)、環境対応 (6-3)で分類した6社を取り上げる。 このうち、製造技術はマイクロ波プラズマに基づく独自の製造方法を開発したCambridge Nanosystems を掲載している。
　新規アプリケーションはNAWA America、Graphenest、Veelo Technologies、Anaphite の4社。垂直配向カーボンナノチューブ (VACNT) を用いた薄膜や、粒子径をカスタマイズ可能なグラフェン製造技術、既存の製造プロセスに統合できるカーボンナノチューブ (CNT)、グラフェンベースのナノ材料に取り組む企業を取り上げている。
　環境対応はキャッサバ工場から高純度グラフェンの製造を可能にしたSurgePower Materialsを掲載している。

セラミック

　セラミックス分野は、断熱セラミックやセラミックファイバー、セラミック複合材の技術開発が活発化しています。また、柔軟性のあるセラミック素材や生体材料としてのセラミックスに注目が集まっています。本レポートでは、製造技術や新規アプリケーションに取り組むセラミックス分野の注目企業を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの7章では、セラミックスにおける注目ベンチャー (企業) として製造技術 (7-1)、新規アプリケーション (7-2) で分類した6社を取り上げる。
　このうち、製造技術は、窒化ホウ素を用いたナノチューブ (BNNT) のスタートアップであるBNNT materialsと、低温処理できる２液型熱硬化性セラミックのスタートアップであるCovaron Advanced Materialsの2社を掲載している。
　新規アプリケーションはEurekite、FLITE Material Sciences、Smart Separations、NEVZ-CERAMICS, JSC の4社。セラミック繊維を柔軟にする技術や、化学塗料を使わずにセラミックスなどの表面トポロジーを変える表面工学技術、自己組織化制御可能な細孔を持つセラミック膜、ナノ構造セラミックスなどに取り組む企業を取り上げている。

シリカエアロゲル

　シリカエアロゲル分野は、断熱材として最近注目を集め、技術開発が活発化しています。医薬品の輸送用梱包材をはじめ、建築材料など将来を期待されている材料です。本レポートでは、シリカエアロゲル分野に取り組む企業2社を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの8章では、シリカエアロゲルにおける注目ベンチャー (企業) として製造技術 (8-1) に分類した2社を取り上げる。
　具体的には、従来の製造方法の3倍の速さでエアロゲル複合板を製造できるスタートアップであるKrossLinker と、建築材料基準を満たすエアロゲルを製造するスタートアップであるThermulon を取り上げている。

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