Posts tagged 機械
東芝における今後の事業展開を探る

2023年12月20日に上場が廃止された株式会社東芝 (6502) は、1930年代に日本で初めて電気洗濯機・電気冷蔵庫・電気掃除機を発明したほか、日本初のMRI装置開発、世界で初めてラップトップ型パソコンの開発・商品化に成功する(2)など、日本初・世界初の技術を生み出し続け、日本の産業界をリードしてきた存在だった。2015年に発覚した不正会計による営業赤字は7087億円に上り(3)、米原発事業の損失が重なり、白物家電、メディカル機器などいくつもの事業を売却した。こうした状況下で現在の東芝がどのような技術を保有しており、上場廃止後どういう事業に進んでいくのかを調査するべく、東芝および関連会社名義で出願された公開および登録特許公報を基に分析を行った。

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孤独を解消するか?ソーシャルロボット開発の現状と日本の立ち位置

 COVID-19による2年近くに渡るパンデミックの状況下で人々の心理面に大きな影響を与えている。過去発行のレポートでは、孤独や親子関係を中心に心理的問題が重大化していることを示した。また、こういった心理的課題への対処法として、ソーシャルロボット導入、心理的レジリエンスの強化、非専門家によるメンタルヘルスケアなどが挙げられた。本稿では、人間とのコミュニケーションを主眼に置いたロボット、「ソーシャルロボット」に係る技術開発の動向を概観し、ソーシャルロボットが孤独等の心理的課題を解決するツールとなり得るのかどうか検討する。また、ソーシャルロボット開発における日本の立ち位置についても考察する。

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特許情報から見るベビーテックの広がり

 現代社会において、育児の効率化に対するニーズが高まっている。そうした背景から2016年に米国で開催されたCESでは新しいテクノロジーのジャンルとして“ベビーテック”が紹介された。ベビーテックとは、Baby(赤ちゃん)とTech(テクノロジー)を組み合わせた造語であり、妊娠から出産、産後の母親、新生児から未就学の子どもを主軸として、育児と保育に携わるすべての人を支えるITサービスと製品の総称を意味するジャンルである。
 当レポートでは国内におけるベビーテックの技術的広がりを把握しつつ、新生児や幼児など特定の成長段階で着目されている技術や、近年に盛り上がりを見せる技術分野について把握していく。

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ものづくりのまち「東京都大田区」の発明を俯瞰する

日本全国には1,724の市区町村があり、各自治体は人口減少や少子高齢化といった課題に対応するために各々の特色を打ち出して認知度を高める活動を行っている。東京都23区に属する大田区は「ものづくりのまち」として金属加工関連の工場が集積した地域であることをアピールしており、約3,500の工場が存在する。今回は東京都大田区の企業から産まれた発明を俯瞰することで「ものづくりのまち」の技術を探索する。

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日立製作所 特許から見た上場子会社のグループ再編

2019年4月、日立製作所が主要子会社の1つである日立化成の売却を検討していることが報道されて以降、複数の有力子会社の再編を進めている。日立化成は昭和電工に売却、日立ハイテクは日立製作所の完全子会社となった。日立金属は一次入札段階に進み米ファンドなど4社が応札し、日立建機は2割程度の持ち株を残し売却との方向性が示された。日立製作所の東原敏昭社長が「2021年度までに結論を出す」と語ったようにグループ再編の方向性が決定したと考えられる。
そこで今回は日立グループの再編の背景を技術の観点から考察するために日立製作所および有力上場子会社であった日立化成、日立ハイテク、日立金属、日立建機について解析を行った。

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高精度測位社会を担うRTK測位技術とその展望 ~センチメートルオーダーの測位技術が切り開くビジネス領域 ~

人工衛星からの信号を用いたGNSSの測位技術は、ここ20年ほどの間に我々の生活の中で欠かせないものとなった。そうした中で注目されているのがRTK(Real-time Kinematic)と呼ばれる測位技術である。RTK測位はユーザー(移動体)側の受信機と、基準局と呼ばれる固定受信機の双方で人工衛星からの電波を受信する。そして、その電波から得られる情報(搬送波位相)を元にそれぞれの位置を計算し、基準局の位置情報及び位置補正情報を移動体側の受信機で受信・計算することで、正確な位置を移動体側で補足し続ける技術である。本レポートでは、このRTK測位に関する特許情報を広く分析する。

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実用段階に入りつつある量子コンピュータの開発動向

現在の一般的なコンピュータは、状態として0か1かの2値状態であるビットしか持ちえず、多数の状態を計算する場合は、ビットの組合せで状態を表現し、状態ごとに計算を行う必要がある。一方、極微な世界などで成立する量子力学の枠組みでは、0と1のどちらでもある重ね合わせの状態が存在する。一般的なコンピュータで状態毎に行った計算は、重ね合わせの状態を用いれば1回で全ての状態の計算が完了可能となり、飛躍的に計算速度が向上すると言われている。本レポートでは、量子コンピュータの技術開発動向を調査すべく、米国で公開された特許公報を元に分析を行った。

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日本の宇宙産業を築く、国内特許ポートフォリオ を侵食する海外企業の脅威

2017年7月30日、民間ベンチャー企業インターステラテクノロジズ社単独で開発された国内初の宇宙ロケットの打ち上げが行われた。結果は失敗に終わったが、今回の出来事は新たな宇宙ビジネスの始まりを期待する出来事であった。一方、2017年3月に特許庁より、航空機・宇宙機器関連技術の特許出願技術動向に関する調査報告書が公表された。調査結果では、日本国内の企業・団体は宇宙機器分野における特許の出願意識が他国よりも低いことが指摘された。本レポートでは、宇宙機器関連の技術、宇宙産業に関わる周辺技術まで含めた特許を収集し、日本国内の特許ポートフォリオの現状分析を試みていく。

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廃熱駆動熱音響技術を利用した大型インフラ用センサ

熱音響技術は、エンジンの廃熱などの熱源から空気などの媒質の温度差を生じさせ、媒質の振動運動すなわち音響現象を導く技術である。この音響現象である運動エネルギーから電気エネルギーなどに変換することにより、廃熱からの有効なエネルギー回収装置となる。更には、発生した音響を蓄熱器に通し、蓄熱器の一方の熱を奪うことにより冷却装置としても利用可能である。 古くは熱音響現象は、日本では岡山市吉備津神社の「鳴釜神事」、欧州でもパイプオルガン修理の際にパイプが音を出す現象として知られていた。この現象が、近年、可動部がないため故障が少なく、かつ廃熱からエネルギーを取り出す技術へと発展して注目を浴び始めている。 本レポートでは、この熱音響の技術について、最近の動向を調査すべく、国内で公開された特許公報を元に分析を行った。

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次世代労働力、産業用ロボット技術に関する動向分析

少子化・高齢化が叫ばれて久しい日本の人口動態だが、出生率回復のための施策に出遅れ、近年は人口減少社会のフェーズに踏み入っている。 この様な現状にあって将来的には労働力人口の減少による経済停滞が想定されるが、一方で、ロボットによる労働力の代替が経済停滞に対する緩衝の役割を果たすとの見方もある。そこで、日本における産業用ロボットに関する今後を占うべく、同技術動向について分析する。

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村田製作所・TDK 特許ポートフォリオから業績についての言及可能性

日本を代表する電子部品メーカーである村田製作所とTDKは、両者ともにスマートフォンに代表される情報通信技術市場をメインとするも、業績には大きな差が出てきている。過去の特許ポートフォリオを分析することから業績についての言及可能性を探る。

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新規技術開発の最前線、 産業技術総合研究所の技術開発動向推移

国立研究開発法人産業技術総合研究所 (以下、産総研という) は、2001年に工業技術院および全国15研究所群を統合再編し設立された研究機関であり、カーボンナノチューブの発見者である飯島澄夫氏や、PAN系炭素繊維の発明者である進藤昭男氏など多くの著名な研究者が在籍している研究機関である。
産総研では東京、つくば、福島、臨海副都心、北海道、東北、中部、関西、中国、四国、九州の拠点で、エネルギー・環境、生命工学、情報・人間工学、材料・化学、エレクトロニクス・製造、地質調査、計量標準のテーマで企業・大学とともに最先端の研究開発を行っている。今回は公開された産総研の特許を収集し、研究開発動向について調査を行った。

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DICと太陽ホールディングスの提携がもたらす セルロースナノファイバー配線基板技術の強化

2017年1月にDIC株式会社が太陽ホールディングスと資本業務提携を行うことを発表した。DICは、印刷インキからスタート、現在では自動車、エレクトロニクスなど多様な業界に向けて製品を提供する総合化学メーカーである。一方太陽ホールディングスは、ソルダーレジストなどのエレクトロニクス業界向け製品を提供する化学メーカーである。DICは自社事業の川下にあたる太陽ホールディングスとの提携により、マーケティング力を強化、市場が求める次世代製品の開発に取り組んでいくと発表した。そこで今後市場に投入される可能性がある製品を明らかにするため、両社の特許ポートフォリオを可視化、提携によるシナジー効果を生み出す技術領域を特定する。

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大日本印刷がトップ 国内加速器関連技術動向分析

最近、九州大学の森田教授のグループが、アジア初の新元素を発見し、「ニホニウム」と命名されたニュースが話題に上がったのは記憶に新しい。この研究には、理化学研究所の超伝導リングサイクロトロン加速器が欠かせない装置であった。同じく、日本原子力開発機構では、素粒子・原子核研究のみならず、物質、生命に関する研究が行われているが、これらでは、J-PARC(大強度陽子加速器施設)が重要な実験施設となっている。 これらの加速器は国産の技術で開発された優れた装置である。そこで、本レポートでは日本における加速器全般に関する技術の動向を調べるべく国内の特許情報を用いて、その開発動向を調べた。

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