最近では趣味の一つとして定着しつつある印象のある「3Dプリンティング」だが、3次元データを用いて材料を付け加えながら製品を造形する製造方法を総称して「付加製造(Additive Manufacturing)」という。付加製造には液状の硬化性樹脂を容器に溜めておき、紫外線やレーザーを照射しながら造形する方法や、主に金属製の粉末に対してレーザーや電子ビームで照射して溶融・凝固させて造形する方法などさまざまな種類がある。付加製造は複雑な形状の製品も作成可能で少量多品種生産に適しており、医療分野や航空分野等でも利用されている。当レポートでは、そんな注目が集まる付加製造に関して、開発トレンドと技術・課題について公開特許公報をベースに調査した。
Read More日本の第一次産業を取り巻く環境は厳しい。農業に関しては2024年の食料自給率は38%であり、アメリカや中国など他国と比べて低い水準にある。さらに従事者の高齢化により第一次産業人口も減少。IT技術の活用や機械化を進めることができれば改善する可能性があるのではないか。現在IT技術は様々な産業で活用が進んでいるが、農業をはじめとする第一次産業ではどのように利用されているのか。耕運機や田植え機のように機械化している部分もあるが、作物の育成管理や野菜等の収穫は人力のイメージが強い。本レポートでは第一次産業でITを活用する技術について調査するべく、第一次産業に関連する特許分類とITに関連する特許分類が含まれる公開・公表・再公表特許公報を基に解析を行った。
Read More警視庁の統計によると、侵入窃盗の認知件数は、2003年から減少に転じ、2022年まで減少してきたが、2023年は4万4,228件で前年比+20.9%と増加している。このうち住宅対象侵入窃盗は、2004年から2022年まで減少してきたが、2023年は1万7,469件で前年比+11.3%と増加。また、刑法犯が3年連続で増加していることが最近のニュースにあがった。日本では凶悪犯罪の発生件数は減少傾向にあるものの、高齢者を狙った犯罪ニュースや車両窃盗のニュース等、人々の不安を煽る事件は後を絶たず、防犯意識は必然的に高まっている。本レポートでは、防犯に関わる技術について俯瞰する。
Read More温室効果ガスの排出量削減が先進国の責務となっている近年、走行時にCO2を排出しないEV車はますます注目を浴びている。そのような中で2022年7月に、2023年からの日本市場への参入を発表した中国の自動車メーカ「BYD」は、大衆向けEVをメインに販売しており、2023年時点での世界EVシェアはテスラに次ぐ2位となっている。EVメーカーとして世界で着実に存在感を放っているBYDの保有技術にはどのようなものがあるのだろうか。また、EVをメインとしていない自動車メーカーと比べて注力領域に違いはあるのだろうか。これらを調べるべく、本レポートではBYDの特許に注目して俯瞰解析を行った。
Read More本年8月15日、中国の商務部と税関総署はアンチモン及びその製造技術等を9月15日から輸出許可の対象とすることを発表した。これによりアンチモンを中国から輸出する際には中国政府の許可を受けることが必要となる。
アンチモン(元素記号Sb)はいわゆるレアメタルで、2050年までに埋蔵量ベースでも使用量が超過する可能性がある金属の一つとされており、アンチモン鉱石の生産量のうちの48%を中国が占めている。またアンチモンのCIF輸入価格は2022年頃から急騰していて、中国の輸出規制が始まれば、アンチモンを利用した製品に大きな影響を与える可能性がある。そこで、日本国内でのアンチモンが関わる技術開発動向とプレイヤーを明らかにすることを目的とし、日本国公開特許公報を用いた俯瞰解析を行った。
世界の技術情勢を俯瞰すべく、WIPOに2023年に公開された全公報の分析を行った。2022年に引き続き、2回目となる。技術は、まだ研究レベルの基礎技術と、社会利用段階の実用技術の大きく2つに分類でき、特許は後者についての動向を見るのに適している。世界各国で特許制度が異なり、権利として守られる技術が同じでない中、WIPOに公開された特許は、世界レベルで動向を調べるには適した情報源である。分析には比較対象となる基準があると分かりやすく、2023年公開と2022年公開のデータとして全く重複のない2つのデータ群の分析結果を比較することで、この1年間における世界技術動向の変化をVALUENEX Radar Fusionによる文書俯瞰解析手法で明らかにする。
Read MoreSBIRとは1982年から米国で開始された制度で、各省庁の技術課題の解決や重要研究分野の促進のために、中小・ベンチャー企業の研究開発に資金を助成するプログラムである。その効果についてはこれまで様々な検証が行われ、高い評価を得ている。一方、SBIRの産学連携版とも呼ばれているSTTRはSBIRとの共通点も多いが、プログラムへの申請要件として研究機関との連携が要求されている点が特徴だ。両者共に米国におけるイノベーションを牽引してきた助成プログラムであり、この動向を明らかにすることは、日本政府・企業・大学にとっても参考になると考えられる。そこで本稿では、近年注目が集まっている機械学習・人工知能分野(ML・AI)を対象に、SBIR/STTRの動向調査を行った。
Read More近年、Podcastという音声メディアの人気が高まってきている。Podcastとは、インターネットを通じて音声配信を行う、インターネットラジオの1つの形態である。注目されている理由の1つとして、「ながら聴き」をすることができ、現代人の日常生活に入り込みやすい点が挙げられるだろう。また、WIREDの記事で「Podcastは現代の公共圏である」とも主張されているように、個々人の多様な考えや知識が本人の声で発信されることで、親近感や共感を得やすい点も特徴であろう。今回はそんなPodcastに関する研究動向について、学術論文を広く分析すると共に、論文情報以外からも日本におけるPodcastを巡る社会動向を調査した。なお、研究動向については、エルゼビア社が提供する抄録・引用文献データベースScopusを用いて関連論文を収集し、俯瞰解析による調査を行った。
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空飛ぶクルマで自宅から家族旅行に出かけると聞いたら多くの人は夢のような話だと思うかもしれないが、このような未来は着実に近づいている。
経済産業省とNEDOが国土交通省と連携して2022年から実施している「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト (ReAMo)」では、省エネ化や人手を介さないヒト・モノの自由な移動の実現を目指している。
一方でドローンの展示会イベントも近年多数実施されており、2023年6月に行われたJapan Drone 2023では、建築や農業、災害対応などさまざまな社会課題を解決しうる展示がされていた。本レポートでは、近年注目されているドローンに関する技術動向を調査した。
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