WIPO(World Intellectual Property Organization:世界知的所有件機関)に2022年に公開された全公報の分析を行った。一般に、技術の分析には、大きく分けて、基礎段階の研究については学術論文を用いた分析と、実用段階では、特許を用いた分析の2通りがある。この2つで見えてくる様相は異なることが多く、特に量子コンピュータなどの黎明期の技術については論文でこそ多くの動向が分かるが、特許ではまだその一部の活動が追える程度である。近年の政治的情勢により、米国公開の特許が世界情勢の反映されない情報源になってしまった現在、貴重な情報源であるWIPO2022年公開の特許を収集し、世界における実用化間近の技術動向を分析した。
Read MoreAI(人工知能)の進歩が目覚ましい。OpenAIが2022年11月30日に公開したチャットボットChatGPTは全世界に衝撃を与え、瞬く間に1億ユーザーを超えた。また、ChatGPTのリリースを皮切りに、OpenAIとパートナーシップを結んでいるMicrosoftによるBingへのチャット検索機能の搭載やGoogleによるAIチャットボットBardなど、汎用AIチャットボットサービスのリリースが相次いでいる。現時点でAIの実用化はどこまで進んでいるのだろうか。本稿では、ビジネスにおけるAI利用を技術面から捉えることでAI実用化の現状を把握しつつ、今後の開発の方向性について考察する。
Read More新型コロナウイルスによる感染症、COVID-19 による2 年近くに渡るパンデミックの状況下で人々の生活様式が大きく変化している。日本生産性本部が発行している「レジャー白書 2021」によると、2020 年の余暇市場は55 兆2,040 億円で、前年比23.7%の減少となっており、スポーツ部門、趣味・創作部門、娯楽部門、観光・行楽部門の4 部門すべてにおいて減少となっている。その中にあってもコンテンツ配信は巣ごもり消費で大きな伸びを見せるなど、エンターテイメントはCOVID-19 パンデミックの影響により最も大きく変化しているものの一つといえる。本稿では、COVID-19 パンデミックの影響を大きく受けている国内エンタメ業界の技術動向を探る。
Read More太陽電池は1954 年にアメリカのベル研究所でシリコン製の太陽電池が発明され、1958 年に人工衛星の電源として搭載されたのが太陽電池の黎明期であり、そこから現在に至っては利用される材料に応じて大きく 3 種類に発展し、さらに細かくは数十種類の太陽電池があり、それぞれについて世界中で研究開発が行われている。リコー[7752]が2023 年に有機薄膜型太陽電池の量産を始める事がニュースになった。また、シャープ[6753]は発電効率の高い太陽電池の開発を発表しており、太陽光のエネルギーを電力に変換する効率が32.65%で、複数のセルを組み合わせた太陽光電池としては世界最高という。
Read More2012年にGoogleの深層学習技術がネコの画像を認識した。その後の改良により2015年には機械による画像認識力が、人間による認識を超え、AIの登場が現実的となった。更に追い打ちをかけたのが、2018年10月に現れたBERT (Bidirectional Encoder Representations for Transformers) で、自然言語処理・理解において一部ではあるが、人間を超えたと言われている。 以前にもLSTM、seq2seqなどの深層学習を利用した優れたシステムが存在したが、一般に自然言語処理・理解においてゲームチェンジャーと言われるのはTransformerから始まるBERTである。
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