MEIDEN

 

明治様ロゴ

社名
Meiden America, Inc.

POINT

  • 事業展開に必要なステージのうち『気づく』の部分で俯瞰解析を活用
  • 俯瞰することで認知バイアスをかけずに議論ができる
  • 技術だけでなく営業面や経営面でも活用していきたい
 
 


佐藤 達則様
GENERAL MANAGER, OPEN INNOVATION
SILICON VALLEY BRANCH OFFICE MANAGER
技術士(電気電子部門、総合技術監理部門)
技術経営修士(専門職)
 
JP EN

所属部門のミッションや、ご自身の業務はどういったものになりますでしょうか?

我々は(株)明電舎の経営企画本部事業開発部のアンテナ機能として、シリコンバレーでイノベーション活動をしています。我々のイノベーション活動とは、イノベーションの人材育成と新しい社会のニーズの探索活動を図ることです。我々はシリコンバレーで『知る』、『気づく』、『学ぶ』の3つのステージで活動しています。『知る』は我々がシリコンバレーから得られる情報、『気づく』は世の中で起きている出来事と我々の知識を組み合わすことで物事に気づくこと、そしてスタートアップなどと共創を通じて物事を『学ぶ』ことです。これらのステージで事業展開を図っていきます。御社のサービスは『気づく』というステージで活用させていただいています。

弊社のサービスの導入に至った経緯は何でしょうか?  

あるコンサル会社様から紹介頂いたスタートアップがとても興味深く、調査を行おうと思ったのですが、我々に専門知識がなく、日本の知的財産部に協力を依頼し、技術調査を始めました。しかし、リスト化やデータの回収に苦労し、従来の技術調査に限界を感じていました。その時、ある方からVALUENEX様をご紹介いただき、俯瞰図に興味を持ち、御社のVALUENEX RADARを使ってみることにしました。

導入に向けた社内調整では、どのようなハードルがあり、それをどう乗り越えたのでしょうか?

コンサルティングをお願いした際には、元々独自にシリコンバレーで実施したため、社内調整というもの自体のハードルはそこまでありませんでした。その後、結果が色々と出てきて、日本側の経営企画部門と研究開発部門などに報告した際、新しい探索方法を探している部署があるということを受けまして、次の話につながったという感じです。­­コミュニケーションを自ら行ったため、円滑に進めることができました。

 
 

新しくこんなことをしていこうと言う雰囲気が昨年度できました。


 
 

サービス利用当初の自分に何かアドバイスするとしたら、どんな事をお伝えしますか?

タイミングよく社内にも紹介させていただき、短期間でビッグデータを調査していただいて分かりやすい結果を得ることができたので、特にアドバイスはありません。そのまま進められてよいと思います。

弊社のサービスを御社内で浸透させるために、何か組織として取り組まれていることはありますでしょうか?

新しいものを日本側に伝えるという意志を持って働いているので、我々がしている仕事をどのように伝え、本社に動いてもらうのかが大きな課題でした。情報ネットワークをしっかりと行い、コミュニケーションをとって、適宜レポートが出たときに報告をして意見を聞きながら次のステップに進む。俯瞰解析とは何なのか?と言うのを理解していきながら理解者が増えていける活動を意識しながらしていました。

弊社サービスからどのようなアクションや成果へ繋がりましたでしょうか?

昨年度、3つほどプロジェクトを御社にお願いしました。特許を使った市場参入の機会、特許を使った競合分析、そして特許と論文を利用とした用途探索です。これらの経験を通じて社内で、俯瞰図を利用することでいろんなことができるという理解が広まりました。このようなことを積み重ねることで、新しくこんなことをしていこうと言う雰囲気が昨年度できました。その結果、今年度は自社分析をしてみようと思い、俯瞰解析を新たに活用しました。今までは個別活動をしていたのですが、全社活動に展開できたことが大きな進歩だと思いました。

 
 

ファクトを見やすくしているのは様々な価値判断において理解しやすく良いものだと思います。


 
 

弊社のサービス導入前と導入後で何が大きく変わりましたでしょうか?

俯瞰図がどのようなものかを理解するのに苦労していた方が多かったのですが、使い方が分かり始めたら、『これはなんだ?』と言う気づきが多くなっていったと思います。一枚の絵に世の中が反映されていると言うことが、専門の方でなくても分かることができたので、全員で議論することができたのがすごく良かったです。さらにはこれまでの解析の手法ですと固定概念や先入観、思い込みといった認知バイアスがかかりやすいのですが、俯瞰図の場合はファクトを見やすい形で絵に表現してくれます。そのおかげで、その業界のバックグラウンドとか集まりの理屈などがわかり、バイアスがかからない形で議論することができました。ビッグデータを短時間でコンサルをしていただけると言うのは従来のやり方ではできなかったことなので、今までのやり方には依存するのではなく「ビッグデータなどのツールを使うのも重要なんだな」と言う意識が広まり始めました。

弊社の俯瞰解析はある種のコミュニケーションツールという位置付けでもありますが、プロジェクトを通して御社内のコミュニケーションは改善されたと思いますか?

従来、技術というものは研究開発部門のある専門家しかわからなかったのですが、当社の技術全てを一枚の絵にしたおかげで関係者全員でのディスカッションが増えた気がします。これまでは技術の専門家の方の意見が強く出てしまい、それ以上の深堀はしない感じで事業の縦割りの弊害がありました。しかし、俯瞰的だとフラットに情報を伝えることができるので、多面的に捉える議論ができ、経営の判断・意思決定を全員で行うことができたので、とても良いツールだと思います。これからも新しいユースケースを増やしていきたいと思います。

社内のコミュニケーションツールもありますし社外のコミュニケーションツールとして俯瞰図は利用可能だと思いますか?

統合報告書という形で俯瞰図をウェブサイトで紹介したり、絵で示すことで“この技術はなんだ?”というのを理解しやすくすることでコミュニケーションツールとして機能していると思います。

会社の評価や価値評価というインパクトに俯瞰図は使えると思いますか?

ファクトやデータを使っていることにインパクトはあると思っていて、実際の文字だけだとバイアスが存在したりします。ファクトを見やすくしているのは様々な価値判断において理解しやすく良いものだと思います。

弊社のサービスを通して、今後ご担当業務をどのように推進するご予定でしょうか?

シリコンバレーでの最先端の技術を日本側に紹介し、それを活用するようにできることを心がけています。ある種、橋渡しをさせていただきながら、日本側でこれを活用していけるような動きをしています。テキストベースのビッグデータの解析も技術面だけの活用ではないと思うので、我々としては営業面や経営面などにも幅広く俯瞰解析を使っていければと思います。

弊社のサービスの導入を検討している企業に何か一言あればお願いいたします。

スタートアップの探索や自社で評価をしたいという面で俯瞰図を使うと、ベンチャーキャピタルやコンサル依頼をそのまま受け取ることなく、自社で事前評価することもできます。そういったことをしたいと思う方にも利用価値があるのではないでしょうか。

インタビューへのご協力誠にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。


掲載内容は取材当時のものです (2022年12月08日掲載)